第三話

 冬場の寒さが身に沁みる。外は一面銀世界の中、家の中はというと暖炉でほんのひとときの間、そのつめたさを忘れさせてくれる。二人の男、ティランとアンガスはある雪の降る町の中で宿をとっていた。ベットからティランがおきてきた。
あの大男の対峙し、ティランが倒したあと、すぐに敵軍が囲み逃げ場がなくなりそうになったためにアンガスはその男にとどめを刺さず、『バロック』でティランを抱え、軍艦から逃げ出し、今この雪国にと漂着したのだった。
「まだ、頭がズキズキする」
「体は大丈夫ですか。ティラン君」
「あぁ、体は大丈夫なんだが・・・・」
「精神面での負傷といったところですか」
アンガスはティランに質問する。
「まぁ、そんなところだ」
ぶっきらぼうにティランはアンガスに答えた。
「まぁ、別にいいですが、君の過去について少ししりたくなりましたよ。危険な状態に陥ったときのあの力、またそのときに語った『シルフ・ローレア』という名と『白炎の幻燈師』の二つ名・・・・・君は一体何者なんだ」
「さぁな。俺にもわからん。ただひとついえることは、俺にははっきりとした記憶がないということだけだ」
「記憶がないだって」
「あぁ、俺が思い出せる最後の記憶。それは、砂漠の中で倒れていたということだけだ」
「そうですか・・・・何か事情があるみたいですね」
「それより、お前こそあの大男となにか訳ありのようだったが、なにかあったのか」
「まぁ、いずれまたあの男とあうことになるでしょうね。今度のときにまた止められても困りますし・・・・・いいでしょう。お話します。そのかわり、またあの男と対峙したときは今度こそ自分がいかせていただきますから」
「あぁ、好きにしな」
「ことの発端はこうです。今から約2年前になるでしょうか。私はある考古学の調査を目的としたギルド、『古の大時計』というギルドのマスターをしていました。そして・・・・」

「いゃ〜、まいりましたね。今回の調査も結局でまかせでしたね」
「いやいや、でも無数にある中でも今回は大変でしたね。そして、収穫はゼロというのですから、こまったものですね。」
「だが、我々学者にとっては、正しいことを求め続けることが大切であり、失敗は成功の元ですから、これくらいでへこたれていられませんよ。」
「そうだな。ハハハハハ」

彼らの職、発掘屋、考古学者、墓荒らしなどいろいろな呼び方があるが、彼らは考古学を中心として、発掘を行う発掘屋に近い存在だった。彼らの目的・・・それは、古より伝わる宝剣だった。
「でも、ほうとうにあるんでしょうか。その宝剣は」
「あってもなくても、それが我々にとっては二の次なのかもしれないな。真理を求める者・・・・カッコイイ響きではないか」

仲間の一人が酒を持って出てきた。
「さぁ、もうくよくよするのはもう止めだ。今日はもう酒を飲んで楽しもうではないか」
「お、いいね」
「そうだな、そうしよう」

そう言い出すと、発掘屋の面々は酒を飲み始めた。

「作戦開始」

黒い物陰が「古の大時計」の家をとりかみはじめた。そのなかから三人の物陰が立て物に向かいあるきだした。
ドアがあき、「古の大時計」のメンバーは一勢にめをむけた。
「まったく、無粋な連中め。国家の役人に手をあげるとは」
そういいながら、そのものたちは中にはいってきた。一人の軍服をきた男の手にはぐったりとした「古の古時計」のメンバーの一人が引きずられていた。
「まったく、常識の知らないの者たちのたまりばだな」
「これは、失礼しました。行政官殿」
そう話しかけたのは、アンガス自身だった。
「ほう、すこしは話の分かるやつがいたか」
「その、胸についた勲章が何よりの証拠ですから。仲間が無礼をはたらいたことについては、その者に変わり謝ります。できれば、その者をこちらにわたしていただきたい」
「ああ、この者か」
そういうと行政官は、左手を軽く手をあげた。支持が下ると後ろの男は手にもっていた「古の大時計」のメンバーを投げ飛ばした。
「貴様ら〜!!」
『古の大時計』のメンバー達がいっせいに殺気立つ。おのおのが手に武器をもって襲い掛かろうとした。
「やめないか!!すこしは状況をみろ」
アンガスは、大声をだして仲間を制止した。そして、
「上で介抱してやれ。」
そういって投げ飛ばされた男の腕を自分の肩に乗せて近くにいた仲間にたのんだ。
「さて、話でもききましょうか。行政官殿」
「ほう、では単刀直入話そう。貴様らが探している宝剣の情報、さらに、技術を拝借したい。勿論、こちらの情報も開示する。どうだ悪い話ではないだろう。」
「そうだな、しかし、もしもその宝剣が見つかったらどうする気だ」
「そうだな、貴様らが調査したあとにでもこちらに譲っていただこう」
「調査させてもらえる期間は」
「終わるまでだ」

 

つづく・・・