
幻燈師
〜二つの樹より生まれし伝説〜
第一章
この世の中に『幻燈師』という位があった。
幻燈師はとは五つある技能のうち一つでも極めた者に与えられる称号だ。
五つの技能
それは・・・・・
剣 銃 弓 格 幻
このうち一つでも極めたならば、
『幻燈師』の称号とともに字が与えられる。
また、極めた物が多ければさらに級が与えられ、
すべてを極めし者には、
『麓華仙師』の称号が与えられる
今となっては唯の御伽話か架空の話になっている
本当に実在したのかどうか、今それを知るも者はだれもいない。
極めることは人間である以上不可能だから
人は貪欲な生き物であり
更なる高みを目指す。
果たして、極めるという状態があるのだろうか?
幻燈師見聞録 第4章より抜粋
第一話
深い森の中、小鳥のさえずりや、川のせせらぎなどをが静かな時を演出し、その場にいる人のこころを癒してくれる。
しかし、現在はそのように感じさせる状況ではなかった。
2.3回の銃声が森の中にこだまする。
鳥たちはその音に驚き、あわてて飛び去っていった。
「ハァ、ハァ、ハァ」
男が一人森の中を逃げていく。
追ってくる者たちと度々、戦闘を繰り替えしながら全速力でにげる。男の左手には輝く宝石のようなものが握られ、逆の手に握られた拳銃を追っ手に向かって発砲する。
発砲した銃が追っ手の一人の足に命中し、男は森の奥深くに消えていく。
「逃げ切ったか?」
男はそういうと、手に握られた宝石を眺め始めた。
「やっと手にいれたぞ、『煌玉』を」
『煌玉』と呼ばれたその宝石は透き通った淡い青色をしていた。
『煌玉』・・・それは太古より伝えられる樹の果実が宝石と化した物と言われ、その宝石の色と形はさまざまだ。
また、その宝石を手にしたものは、未知なる力が手に入るが、それを使いこなす技術は昔の大戦争によって失われたとされている。男はその『煌玉』を眺めると、筒状のガラス瓶を取り出して中の液体の中に『煌玉』を入れた。
「覚醒まで時間がかかるか・・・その間にもっと逃げとくか」
男は筒をしまうと、また走り出した。
男はやがて、一つの洞窟の中に入った。
「ここまでくれば、大丈夫だろう。」
そういうと、男は筒を取り出し眺め始めた。
筒の中に入れられた『煌玉』は青白く光を増していた。
「まだ、覚醒中だが、これくらいならいけるか・・・」
男はそういうと、背中に背負ってきた剣を取り出し、座り込んでなにやらいじり始めた。
鍔の部分に『煌玉』が入った筒を組み込んでいるようだ。
作業はすぐに終わった。
男は剣に手をかけて立ち上がり、剣を眺めた。
剣はやがて淡い青色を帯びはじめた。
「ビンゴ!!本物の『煌玉』だ。色からして属性は・・・」
男が取ってきたものが本物であることを喜んでいるとおくのほうから物音がした。
男はすぐに岩陰に隠れた。奥のほうから光がもれてくる。
「炭鉱跡地か?なにか奥でやっているのか?」
男の悪い癖だろうか?
興味があると覗いてみたくなるのは人の業なのか、男は奥にすすんでみることにした。
炭鉱跡地に作られた設備・・・軍の秘密基地だった。
男が入った入り口は非常用の出入り口のようだった。おかげで、奥にいくまで見つからずにこれたわけだった。
「まったく、なんでこんな辺境にまで派遣されなきゃいけないんだ?」
「しかたがないだろう?機密事項で末端の俺たちには理由は知らされてないんだから。御上の指示に従うしかないんだよ。従いたくなかったら早く昇進するか、軍を辞めるしかなんじゃないか?」
「それもそうだな。ハハハハ」
「でもよ、なんかやけにでかいコンテナがあったよなぁ。あんなものこんなとこでつかうのかね〜」
「ひょっとして、炭鉱跡地だけに資材の調達とか?」
「そんなわけないでだろ。冗談はそれくらいにやめとけ」
男は、物陰から軍人たちの会話を聞いていた。
「せっかくだし、新しく手に入れた『煌玉』の試しもかねて、ちっと奥まで、そのコンテナとやらの中身を見に行くかな?」
男はそう言うと、奥に進んでいく。
奥には、要塞のように入り組んだ基地があり、厳重に警備されている。
しかし、厳重に警備されているとはいえ、進入口はいくらでもあるものだ。
男は、壁にある通気口の柵を外し、中に進入していく。
冷たい風が吹く中、ただひたすら前に進んでいく。
通気口を進んでいくと、なにやら明かりが見えてきた。
網目の中から下の様子をうかがう。下には誰もいないようだ。男は隙を見て網目を外し、下に降りた。
降りた後すぐさま、あたりを伺う。周りに警備の者はだれもいない。
男は先に進んでいく。
「この場合は・・・ここの軍服を手に入れるのが先決だな」
男はどのように軍服を手に入れるか考えている。
警備の者を襲い剥ぎ取るか、更衣室を探し出し、軍服を手にいれるか・・・迷っているようだった。
「あまり、大事にしたくないしなぁ。ここは更衣室を探し出すほうが先決か。まぁ、誰かに出くわしたらそいつのを剥ぎ取るしかないかなぁ?」
男は独り言をぶつぶつとつぶやきながら近くの端末を探した。
端末はすぐに見つかり、胸のポケットの中から機械を取り出し、端末につないだ。なにやら無数の数字と文字が機械のモニターに映りだす。最後に、終了と出てから、基地の地図が機械のモニターに映し出された。
「さてとどこからいきますかな」
男はモニターに移された地図を見ながら顎に手を当てた。そして、
「よし、まずは・・・・トイレだ」
男はトイレの個室の中で考えていた。目的は大きなコンテナと、更衣室の中にあるだろう軍服。
どういけば、最短ルートになるか、考えていた。トイレの中だからだれかが来たときに襲うという手もあるが、それは彼としてはあまりしたくない手のようだった。理由としては、襲った人をどうするという点だ。猿轡でもして隠しておていてもいずれは見つかってしまう。もし見つかるのが早ければ、相手側に警戒され、進入が困難になってしまう。
「さてと、そろそろ進入開始としますか」
男は、トレイを出て先に進みだした。
周りを警戒しつつ、進みだす。見つかってしまっては、元も子もない。
やっとの思いで、更衣室にたどり着いた。少しだけ扉をあけて中を確かめる。
中で一人着替えている。
「ち、どうするかな」
男は迷っていた。このまま、中のやつが着替え終わるのを待っていては、いずれ見つかる可能性が高い。
ここはひとつ・・・・
男はドアをノックした。
中にいる者が出てきた。男はとっさに持っていた銃で出てきた奴の頭を殴ってその場に気絶させた。
そして、更衣室の中に連れ込んだ。
「今のうちに、着替えを頂戴するか。」
男はすぐさま、着替えはじめた。着替え終わると男は気絶させた奴をロッカーに持たれさせ、近くにロッカーの上にあったものを近くに置いた。
「これで、まぁ、上から物が落ちてきたと勘違いするかなぁ?」
と、少し馬鹿らしい行動をとっていた。
「まぁ、どのみち、しばらくは動けないだろう」
男はその場をあとにして立ち去った。
男は手元の機械をいじりながら、目的のコンテナを探していた。制服を着ているためか、多少の機械をいじりながら歩いていても、さほど、違和感がないようだ。2、3人ほどすれ違ったが、特になにも不振がられていなかった。
男は相変わらず機械をいじりながら大きな部屋を探していた。
コンテナというぐらいなのだから、相当な大きさだと推測できるからだ。そのようなものをおいておくことができる場所は大きい倉庫のようなとこしかない。場所は一つしかなかった。
格納庫だ。
男は格納庫に向かった。
格納庫には門兵が2人いる。こっそり入るのは無理だった。近くに別の進入口がないか探していたが、通機口しかなった。通機口から中に進入、それしか方法がないようだ。
通気口から上へと侵入を開始する。入った場所はみつからないように、しっかりと元の状態にもどしておく。
男は上へ上っていった。網目から下の状態を伺う。
だれもいないようだ。
男はしたに降りようとして網目をはずそうとしたが、扉が開く音がした。
格納庫の入り口が重いたい音をさせながら開く。
入り口から兵隊が5名とここの砦の管理者らしき男が1名。
そして、白いスーツに身を包んだ重役と思われる女性が1人。
また、その女性の警護をまかされていると思われる者が2名いた。
会話が聞こえてきた。
「例のサンプルは作戦道りに進んでいるのか」
白いスーツの女性が言い出した。
「ええ、定刻道りに事は進んでおります。いずれ、この場所を実験場として使えるように手はずは整えております。」
「例のサンプルの状態は」
「今はベイクラフトと呼ばれる結晶の中に閉じ込めてありますが、いずれは培養槽の中で睡眠状態におく予定です。」
「まぁ、いい」
「今から、培養槽にサンプルを移しますが、ごらんになられますか?」
「もちろんだ。私は、事が順調に進んでいるかどうかを見るためにきていんだ」
しばらく男はその場にじっとして、下にいる者が出て行くのを待った。
「順調に物事は進んでいるようだな。」
「はい、順調にすすんでおります。予定道り、覚醒がすすんでおりますので、研究員をいつでも配置していただいてかまいません」
「では詳しい今後の予定を話し会おうではないか」
そういうと、その団体は部屋を後にした。
男は、完全に人気がいなくなったのを確認すると、網をはずして下に降りた。
「俺が探していたものは何かのサンプルか・・・」
男はそういうと団体が出て行った扉を見つめた。
「では、そのサンプルのデータがあればいただいていきますか」
男は急いで奥に進んでいった。
男は途中から頭を抑えていた。
なぜだか分からない痛みがズキンと頭に走る。
サンプルに近ずくにつれてその痛みは激しさを増す。
男はやがてサンプルが入った培養槽に近ずいた。
そして見上げてみた。
中には銀髪の女性が白い服を纏って中に入っていた。
培養槽は二つあり隣には紅い宝玉が埋め込まれた、短剣が入っていた。
「これは・・・・・」
男の頭痛が激しさを増す。
過去の忘れたい記憶。
急激に情報が流れ込むできた。
男はその場にたおれこんで意識を失った。