
幻燈師
〜二つの樹より生まれし伝説〜
序 章
この世の中に人々を魅了した二つの木があった。
一つは見た目が美しく人々に癒しを与えた
もう片方は、大変甘い果実がなり、人々に活力を与えた。
しかし、やがて人は甘い果実を欲するようになった。
その果実が与えるものは活力だけではなったからだ。
内から秘める更なる力を人にあたえた。
それが現在の伝承にある『ユグラシルド』といわれている
やがて、もう片方の樹には誰も近寄らなくなった。
人々は、見た目の美しさより
身を潤す果実を選んだからだ
やがてその樹は枯れ、朽ち果てていく。
名も忘れられたその樹は枯れる最後に一つの短剣を生み出した。
その短剣は誰も近づかなくなった樹に最後まで見届けた一人の青年に授けられた。
その樹の力はその短剣に宿り、その青年を守ることになった。
しかし、その青年はやがて、悲運な病に陥り命を落とす。
短剣もともにその青年の墓に葬り長き眠りについた。
しかし、その短剣は、暗闇の中で深き闇に陥り、
人々の憎悪を吸い取るようになっていく
危険を察知した当時の人々は更なる闇にその短剣を封じ、
二度と日を見ないように奥深くに葬った。
幻燈師見聞録 第1章より抜粋
あたりに警報が鳴り響く。俺は急いで装備を整えに倉庫に向かい走りだす。
前から鈍い音とともに男が戸から飛び出してきた。
いや、むしろ吹き飛ばされたといっていいだろう。
俺は吹き飛ばされた男のそばに近づいて首元を触ってみる。・・・・・息がない。
俺はその男の顔に手を当て、急いでその扉の中に入っていった。
男が飛ばされてきた場所。
その場所に俺の装備が保管されているからだ。
倉庫の中に急いで入ると中には一人の銀髪の女が狂気に満ちていた。
顔には相手の返り血が付き手には、紅い宝玉がついた短剣を持っているだけだった。
昔でいう戦場の女神とでも言えるようなそんな感じを第一印象にうけつつ、俺の中では別に恐怖を覚えた。
近くにいる仲間が彼女に向かって発砲するが、彼女は短剣ですべてを凪ぎ落とす。
しかし、さすがにすべてを凪ぎ落とせるわけではい。
斬撃の間を銃弾が通りぬけ彼女を狙うが、彼女の周りを取り巻く風によって弾丸は足元に落ちる。
銃声の中に弾丸が床に落ちる音が混じっている。
俺はその戦場を横目に見つつ、奥にある俺の装備を取りに行く。
棚には不気味な防具が色々とある。褐色の防具や黄土色の防具などが綺麗においてあるはずが、
一部が戦闘により、無残にも散らばっている。
俺はそのうちのひとつに手を伸ばし、自ら着れるものを選び出し、角で靴を履き替えた。
「ムダダ、我、探スモノ、オクニアル。ジャマスルナ」
女はそういうと、近くにある防具の棚に剣を突き刺した。
すると、すべての防具についてあるドレッドヘアーのような太い紐が不気味にも命をもった生き物のように動きだし、襲いだした。
俺は、残りの防具を着るのをあきらめ、別の扉から外に出ようとした。
「急いで、全員撤退しろ!!この倉庫を隔壁で閉鎖する」
俺はそう叫ぶと、生きている隊員を誘導し、外に出、隔壁を閉鎖した。
「畜生、なんなんだ。いったいどうなってるんだ」
俺は手元にある武器を確認した。大型の拳銃が1丁と靴に隠し装備としてあるダガーだけだった。
「これだけでどうにかなるか・・・・・」
結局生き残ったのは、俺ともう一人の仲間だけだった。
軽くため息を付き上を見上げた。
隊員200名を越す大きな砦。「グランド・グリア」
今では完全に攻城された砦と化した。ただ、一時的に保護するはずの人物と短剣・・・・・
それがこんなことになるとは。
俺は今、おきている状態を信じることができないでいた。
しかし、そんなしばしの急速も許される状況ではなかった。
俺ともう一人の男はこの場で分かれ、作戦をとった。
作戦と呼べるのだろうか。たった二人で・・・・・
簡単なことだ。この砦を爆破するだけだから。
俺はただ、爆破が完了するまで、この場で奴の動きを止めればいい。
もう一人の仲間がこの基地の爆破コードを近くの端末から入力するだけだ。
そしたらその端末の側にある脱出ゲートから逃げればいいだけだ。
俺は男と別れ、その場に仁王立ちする。
先ほどから隔壁を破ろうとする鈍い音、俺はその隔壁に向かって拳銃を構える。
普通の拳銃より口径が大きいとはいえ、あの化け物に対して、果たして効果があるのだろうか
俺はわからずただ構えた。
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2
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隔壁が鈍い音とともに破られた。
破った穴から触覚のように動く紐が動きだす。
俺は拳銃を一発撃った。
そして・・・・・・・・